わたしは20代後半の時に、軽度の子宮腺筋症と診断されました。
子宮内膜症はよく聞くけど・・・
看護師なのに、子宮腺筋症という聞きなれない病名に戸惑いました。
調べていくうちに、子宮腺筋症は不妊の原因になることがあると知りました。
当時はまだ結婚をしていませんでしたが、「将来的には絶対に子どもは欲しい!」と思っていたため、強いショックを受けました。
この時からわたしは子宮腺筋症と向き合うことになりました。
この記事では、子宮腺筋症についてまとめています。
また、わたしが妊娠に至るまでの記録も紹介していきます。
「子宮腺筋症」がありながら妊活している方、これから妊活を始める方の参考になれば幸いです。
子宮腺筋症について
子宮腺筋症とは
本来は子宮の内側に存在しているはずの子宮内膜が、子宮の壁の中(子宮筋層内)に侵入する疾患です。
子宮内膜は生理で出血するため、子宮筋層内に子宮内膜が入り込んでしまうと、子宮の壁の中でも出血が起きてしまいます。
それにより、本来はしなやかな子宮の筋肉が硬く肥厚してしまい、様々な症状の原因となります。
また、子宮腺筋症は不妊症の原因になることがあります。
起こりやすい年齢
子宮腺筋症は30代後半から50代にかけて多い病気です。
約2割の女性が持っていると言われます。
年齢とともにその数は増え、40歳では3割程度の女性が子宮腺筋症と言われています。
子宮腺筋症の症状
- 生理時の経血量が多い
- 強い生理痛
- 生理の直前から激しい骨盤の痛みが間欠的に起こる
- 生理周期と関係のない骨盤内の痛み
一方で、全く自覚症状がない方もいます。
子宮腺筋症の治療は必要?
症状がない場合や軽度の場合は治療の必要はありません。
辛い症状がある場合には、治療の対象となります。
対処療法
- 月経困難症や下腹痛に対して、鎮痛剤を服用する
- 過多月経による貧血に対して、鉄剤を服用する
薬物療法
- EP配合剤(エストロゲン・黄体ホルモン配合剤)
月経時の出血量を減少し、月経痛を改善するとともに症状の進行を抑える。
- 黄体ホルモン製剤の服用
子宮内膜症・子宮腺筋症の進行を抑え、症状を改善する。
- 低容量ピルの服用
生理痛、過多月経、PMSなどの症状を緩和する。
女性ホルモンを一定にコントロールして子宮筋腫や子宮内膜の増大を抑える効果も期待できる。
手術療法
- 根治手術
子宮腺筋症の病変部分だけを切除するのは、病巣が子宮筋層内にばらまかれたような状態で存在するために、多くの場合不可能です。子宮腺筋症を完全に治すには、子宮全体を摘出する方法しかありません。
- 温存手術
子宮の病変部だけを切除し、正常な子宮は残す手術です。
妊娠や閉経との関連性
- 妊娠との関連
妊娠すると子宮腺筋症はある程度軽快すると言われています。妊娠を希望されている方は早めに妊娠することをお勧めします。
- 閉経との関連
閉経すると生理がなくなるため子宮は小さくなり、子宮腺筋症はやがて治癒します。
子宮腺筋症と不妊との関係
子宮腺筋症と不妊の関係についてはまだよくわかっていませんが、日本産婦人科医会のHPには以下のことが指摘されています。
- 子宮腺筋症があっても必ずしも不妊になるわけではない
- 体外受精・胚移植患者においては、子宮腺筋症により、着床率・妊娠率が低下し、流産率が上昇する傾向にあることが最近のメタ解析で示されている
- 流早産の増加も指摘されているが、周産期に関する文献はまだ数少ない
子宮腺筋症により子宮の環境が悪化し、着床しづらくなったり、流産や早産、赤ちゃんの体重が増加しないような事例が多いと報告があります。
子宮腺筋症持ちのわたしが妊娠するまでの記録
子宮腺筋症と診断されて
わたしは20代半ば頃から生理痛が重くなり、特に下腹部痛と腰痛が辛く、生理中だけでなくPMS(月経前症候群)もありました。
生理前の腰痛や生理痛が強い時には、鎮痛剤を飲んでいました。
子宮腺筋症の治療について、医師からは「このまま今まで通り何もせず様子をみてもいいし、生理痛が辛いならピルを飲んでみるのも1つだよ」と低用量ピルの服用を提案されました。
ピルを飲むことで、生理痛を緩和したり、子宮腺筋症の進行を抑える効果があると説明を受けました。
低容量ピルの服薬開始・副作用
子宮腺筋症と診断された時点ではまだ入籍しておらず、今すぐ妊活をする予定はなかったためピルの服薬を始めてみることにしました。
わたしが処方されたピルはファボワールでした。
ピルを開始して確かに生理痛は楽になったものの、副作用と思われる症状がいくつか出てきました。
ピルを始める前は体重46kgだったのが、半年でプラス4kg。
これほど体重が増えたのは人生初めて!
医師に体重増加のことを尋ねると「ファボワールで体重増加はしない」と言われました。
しかし、自分の感覚的に「わたしの身体にはこのピルは合っていない」と思っていました。
通常ピルの副作用の多くは、飲み始め1~2カ月に現れやすく、身体がピルに慣れると共に症状は軽減していきます。
*わたしのように半年も続いたのは稀かも知れません
ピルのメリット・デメリット
結局、ピルは半年で中止しました。
ピルが身体に合っていないと感じたことと、入籍を前に妊活していこうと考えたからです。
半年間ピルを服用して、わたしが感じたメリット・デメリットを挙げます。
ピルに関して悪いイメージはありません。
むしろ、メリットの方がはるかに大きかったです。
まだ妊活をしない状況であれば、医師にピルの種類の変更をお願いして、ピルの服用は続けていました。
ピルの中止から妊娠に至るまで
2019年5月にピルの服薬をやめて、1ヶ月ほどで自分の生理が来ました。
その後の妊娠の経過を以下にまとめました。
- 2020年7月1度目の妊娠(自然に授かる)
妊娠7週で流産 - 2020年12月2度目の妊娠(自己流のタイミング法で授かる)
妊娠9週で流産
- 2021年3月3度目の妊娠(自己流のタイミング法で授かる)
妊娠初期に、子宮内で少量の出血が認められた
その後の妊娠経過は順調で、現在妊娠9ヶ月
わたしの場合、1年未満で3度の自然妊娠に至っており、子宮腺筋症による着床障害はなかったと思われます。
初期流産を続けて2度経験した時、医師に「2度の流産は、子宮腺筋症と関係がありますか」と尋ねました。
「軽度の子宮腺筋症だから関係ない、初期の流産のほとんどの理由は赤ちゃん側にあるものですよ」と説明されました。
不妊や不育の原因は、いくつかの要因が絡んでいることが多いです。
医師にも、初期流産と子宮腺筋症の関係は明言できないのだと感じました。
早期治療が重要
子宮腺筋症があっても、病状の程度によって妊娠率に大きく影響します。
軽度の子宮腺筋症であっても、ちゃんと向き合って治療すること大切です。
子宮腺筋症と診断された方は、まず治療方針について医師とよく相談してください。
今すぐに子どもが欲しい!と思っていない方も、将来のために早期か治療することをお勧めします。

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